「妊娠中の葉酸摂取は、サプリだけで十分と思ってはいませんか?」確かに厚生労働省は、サプリからの葉酸摂取を推奨しています。でもこれは、あくまで追加での摂取です。
そのため厚生労働省は、葉酸サプリで追加摂取するようにと呼び掛けているのです。要は葉酸は、食事だけでも葉酸サプリだけでも不十分ということです。
そして食事で葉酸をしっかりと摂取するには、調理方法に工夫が必要となります。特に加熱には、十分に注意しなければなりません。
ここでは、食事で葉酸を効率良く摂取するための調理方法、とりわけ加熱のコツについて、ご説明します。
葉酸は加熱で失われます
葉酸は、野菜や果物や肉類など、多くの食べ物に含まれています。その中で特に葉酸を摂取しやすい食べ物は、ほうれん草やブロッコリーなどの葉野菜です。
炒め物やシチューなど、色々な料理に使えるので、飽きずに毎日食べることができますね。でも実は葉酸には、水と熱に弱いという性質があります。
具体的には、
・葉野菜を茹でる→葉酸が溶け出してしまう
・葉野菜を炒める→水分と一緒に葉酸が抜けてしまう
調理により、こういった現象が起こります。葉酸が抜け出た後の葉野菜を食べても、当然葉酸をしっかりと摂取することはできません。
そのため葉野菜から葉酸を摂取する場合には、できるだけ葉酸を逃さないように、工夫して調理しなければならないのです。
工夫①生で食べる
葉酸を逃さずに葉野菜を食べるには、具体的にどのような調理をすれば良いのでしょうか。一番のおすすめは、生のままでサラダにすることです。生の状態なら、含まれている葉酸をそのまま摂取できますね。
もちろん水洗いは必要ですが、短時間でサッと洗う程度なら、葉酸はほとんど溶け出ていきません。カットせずに、冷水にくぐらせるように洗ってくださいね。
かいわれ大根、水菜、ベビーリーフなどは、特におすすめです。苦味が少ないので、生の状態でもおいしく食べることができます。
工夫②軽く炒めるor茹でる
葉野菜の中には、生の状態では苦味があったり硬かったりして、食べにくいものもあります。ほうれん草やブロッコリーなどがそうですね。
こういった葉野菜は、軽く炒めたり茹でたりして食べましょう。多少の加熱でも葉酸は失われますが、完全になくなるわけではありません。
加熱時間が短ければ、生野菜に近い量の葉酸を摂取できますよ。たとえばほうれん草のソテーなら、先にベーコンなど他の具材を炒め、最後にほうれん草を入れましょう。
そして他の具材と和えながら軽く炒める程度で終わりにします。おひたしなら、まずは鍋でお湯を沸かします。
そして沸騰してからほうれん草を入れ、茎は1分、葉は30秒を目安として軽く茹でましょう。お湯を切った後は、しぼりすぎないように注意!
こういった調理方法なら、葉酸は過度には失われません。シャキシャキの食感も残るので、その点でもおすすめですよ。
工夫③煮汁ごと食べる
葉野菜を煮込むと、葉酸は煮汁に溶け出てしまいます。ということは、つまりその煮汁を飲めば、葉酸を摂取できるわけです。
そのため葉野菜は、味噌汁やシチューに入れることもおすすめです。どちらも、溶け出した葉酸ごと飲んだり食べたりできますよ。
グラタンやリゾットに入れるのもいいですね。ただし加熱時間が長すぎると、葉酸そのものが熱で変質して、本来の力を発揮できなくなります。
そのため葉野菜は、最初からグツグツと煮込むのではなく、できるだけ調理の後半で加えるようにしましょう。
工夫④蒸して食べる
蒸して食べることも、葉酸をしっかりと摂取する有効な手段です。炒め物ほど強く加熱されませんし、具材が蒸気に触れるだけなので、それほど多く葉酸が溶け出さないのです。
特に茶碗蒸しは、わずかに溶け出た葉酸まで食べることができるのでおすすめですよ。ブロッコリーやアスパラガスなどを蒸して、ホットサラダにすることもおすすめです。
また蒸し物とは少し違いますが、電子レンジで加熱することもひとつの手です。茹でたり煮込んだりすることなく葉野菜を加熱できるので、ホットサラダを作る時に便利です。
葉酸を摂取できる加熱方法のまとめ
いかがでしたか?この4つの調理方法だと、葉酸をあまり失わせることなく葉野菜を食べることができますよ。
- 生で食べる(かいわれ大根のサラダなど)
- 軽く炒めるor茹でる(ソテーやおひたしなど)
- 煮汁ごと食べる(味噌汁やしシチューなど)
- 蒸して食べる(茶碗蒸しやホットサラダなど)
水に触れさせる時間、加熱する時間を短めにすることがポイントです。
「葉野菜を食べているのに葉酸不足になった…」
というトラブルを防ぐために、葉野菜は工夫して調理して、おいしく食べてくださいね。また、まだ葉酸サプリを摂取していないという方は、下記の記事を参考にしてくださいね。