お酒を飲みすぎると、体が悪影響を受けることがあります。吐き気や頭痛が起こりやすくなりますし、さらに肝臓や胃腸の疾患、糖尿病などのリスクも高まるのです。
普段の体でもそうなのですから、妊活中にはもっと気になりますよね。そのため、妊活中には禁酒するという人は少なくありません。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?妊活中にお酒を飲むと、何か悪いことが起こるのでしょうか?
ここでは、お酒が妊活中の体に与える影響についてお話しします。
妊活中には基本的に控えるべき
結論から言うと、妊活中にはお酒を控えた方が良いです。でも、1滴も飲んではいけないというわけではありません。
時々少量を飲む程度なら、基本的には問題はないですよ。というのも、人間の体はもともとお酒をうまく処理できるように作られているからです。
お酒は体内で分解される過程で毒素を生み出すのですが(これが二日酔いの原因となります)、量が多くなければ肝臓がしっかりと処理してくれます。
具体的には、アルコール度数が5%のお酒の場合、1日に500mlまでなら、飲んでも健康に問題はないとされています。
コップ2杯程度の量ですね。1日に1500mlを超えると、肝機能の低下などトラブルが起こりやすくなるので、注意が必要です。
ただしこの数字は、あくまで平均的なものです。体質や体調によっては、500mlの量でも肝臓に負担を与えることがあります。
そのため妊活中にお酒を飲む時には、自分の体とよく相談してくださいね。心配がある場合は、念のために控えておきましょう。
お酒の悪影響:女性編
妊活中の女性が、もしもお酒を飲みすぎてしまったら、体は一体どうなるのでしょう?
基本的には、突然妊娠できない体になることはありません。
しかし深酒を続けていると、
- 生理不順
- 排卵障害
- 着床障害
これらによる不妊のリスクが、徐々に高まっていきます。さらに妊活中の女性の場合、既にお腹に赤ちゃんが宿っている可能性があります。
この状態で妊娠に気付かずに飲みすぎていると、赤ちゃんが胎児性アルコール症候群となってしまうことがあります。
胎児性アルコール症候群とは、赤ちゃんの体に、処理しきれないほどの量のアルコールが流れ込み、蓄積されることです。
これにより赤ちゃんは、
- 脳性小児まひ
- 知的障害
- てんかん
- 小頭症
- 低体重
こういったリスクを背負うことになります。胎児性アルコール症候群はお酒の飲みすぎが原因ですから、禁酒していれば100%防止できますよ。
お酒の悪影響:男性編
一方、妊活中の男性が飲みすぎてしまうと、どうなるのでしょう?男性の場合、基本的には女性ほど悪影響を受けません。しかし、精液中の精子の量が少なくなる可能性があります。また、精子の運動率が低くなることもあります。
いずれの場合も、妊娠の可能性は低下します。また、飲みすぎにより勃起不全となる男性もいます。この場合は、性交渉自体が困難になります。そのため妊活中の男性もまた、深酒をしないよう注意することが大事です。
どうしてもお酒を飲みたい時には?
中には、お酒を我慢することがストレスになる人もいるかもしれませんね。ストレスもまた、妊活の妨げとなります。せっかく妊活のために禁酒をしても、ストレスで妊娠しにくくなっては本末転倒です。
そのためこのような場合は、先述したように体調を考えながら、安全な量だけ飲みましょう。ノンアルコールビールを飲むこともひとつの手です。しかし添加物が含まれているので、ノンアルコールでも飲みすぎには注意してくださいね。
ただし甘酒に関しては、むしろ飲むことをおすすめします。甘酒といっても、酒粕で作られたものではなく、米麹で作られたものです。これならアルコールが含まれていないので、妊活中でも安心して飲めますよ。しかも甘酒は、非常に栄養価の高い飲み物です。
具体的には、
- ブドウ糖(体のエネルギーになる)
- ビタミンB群(良質な血液を作る)
- 食物繊維(腸内環境を整える)
- オリゴ糖(腸内環境を整える)
- 酵素(基礎代謝量を増やす)
これらがたっぷりと含まれているのです。そのため甘酒は、「飲む点滴」とまで呼ばれています。妊活の成功率をアップさせてくれるので、お酒を飲みたい時には活用してみてくださいね。
妊活中のお酒についてのまとめ
妊活中には、基本的にはお酒を飲むことは控えましょう。
女性の場合は
- 生理不順
- 排卵障害
- 着床障害
- 胎児性アルコール症候群(妊娠していた場合)
のリスクがあるからです。
男性の場合は
- 精子減少
- 精子の運動率低下
- 勃起不全
となることがあります。ただし禁酒がストレスになるようなら、体に負担とならない程度(目安は500ml以下)なら飲んでも構いません。
ノンアルコールの米麹の甘酒を飲むことも、おすすめですよ。栄養価が高いので、むしろ妊活の助けとなります。