発達障害児は、年々増えています。小中学校で通級指導を受けている、軽度の発達障害児だけでも、全国に約10万人います。
支援を受けていない児童や生徒を含めた場合、60万人以上と言われているんですよ。これから出産するお母さんたちには、とても気になる数字ですよね…。でも発達障害は、葉酸の摂取で防止しやすくなります。
実際に、妊娠中に積極的に葉酸を摂取したお母さんの子供には、発達障害児が少ない、という研究結果も出ているんです。
葉酸は、どのようなメカニズムで発達障害を防ぐのでしょうか?また、よりしっかりと防ぐには、他にどのような工夫をすれば良いのでしょうか?
ここでは、葉酸と発達障害について詳しくご紹介します。赤ちゃんを発達障害から守るために、ぜひ参考にしてくださいね。
どの発達障害も葉酸での予防が可能
一口に発達障害と言っても、種類は様々です。
- 言葉の遅れや、特定の状況における強いこだわりのある自閉症
- 人とは異なる認識や解釈からコミュニケーションが困難になる、アスペルガー症候群
- 読み書きや計算など、特定分野の学習が極端に苦手になる、学習障害
- 集中できず衝動的に動き回ったり、物忘れをしたりする、注意欠陥多動性障害
これらは、それぞれ特徴が異なっていますが、全部発達障害の仲間です。正確には、脳の機能に問題があるタイプの発達障害です。
こういった発達障害のある人は、20人に1人と言われています。決して、気にせずにいられるような低い確率ではありませんよね。でも、このいずれの発達障害も、葉酸で予防することが可能なのです。
葉酸が発達障害予防に効果的とされている理由
なぜ葉酸の摂取で、発達障害を予防できるのでしょうか?その理由は、葉酸が正しい細胞分裂を促すという点にあります。発達障害は、脳の機能に問題があるために起こります。そしてお腹の赤ちゃんの脳は、妊娠4~8週目頃に、細胞分裂によって作られます。
ところが、この細胞分裂がうまく進まないことがあります。これが脳の機能障害を招くのです。でも妊娠4~8週目頃に葉酸をしっかりと摂取すれば、細胞分裂が正しく進みやすくなります。
これにより、きちんと機能する脳が作られやすくなるわけですね。ノルウェーでは、この葉酸の効果を確認するための研究が行われました。
その研究では、葉酸を摂取したお母さんから誕生した自閉症児の数は、摂取していなかったお母さんから生まれた自閉症児の数の半分ほどだったという結果が出されました。
葉酸の摂取で、確実に発達障害を予防できるわけではありませんが、その可能性はかなり低くなるようですね。
発達障害を防ぐための工夫
発達障害を予防する方法は、葉酸の摂取以外にもあります。
①毎日の食事で、野菜や果物をしっかりと食べる
野菜や果物に含まれているビタミンやミネラルは、細胞に害を与える活性酸素を減らしてくれます。
②ストレス、肥満、食品添加物に気をつける
これらはいずれも、活性酸素を増やす原因になります。
③タバコを吸わないようにする
喫煙は、赤ちゃんが自閉症児となるリスクを1.4倍にすると言われています。葉酸を摂取するだけでなく、こういった点に気をつければ、赤ちゃんを発達障害からよりしっかりと守ることができますよ。
発達障害児として生まれた子供は、生き辛さを感じる可能性が高くなります。だからこそ、予防のために、できる工夫は全てしておきましょう。それが、これから生まれてくる我が子の人生を守ることになります。
これから妊娠、出産をする予定のお母さん。母親としての人生は、もう始まっています。そう考えて、日頃からしっかりと予防に努めてくださいね。
発達障害の予防と葉酸についてのまとめ
発達障害は、脳の機能に問題が起こることが原因です。でもこれは、妊娠4~8週目頃に葉酸を十分に摂取すれば、防ぐことが可能になります。
葉酸は正常な細胞分裂を促すので、これにより赤ちゃんの脳が正しく作られやすくなるのです。我が子の人生のためにも、しっかりと葉酸を摂取してくださいね。
また、ビタミンやミネラルも摂取することが大事です。ストレスや肥満、喫煙は避けるようにしましょう。